あなたは建築施工図の仕事に興味がありますか?
もしあなたが建築施工図の仕事がやりたくて転職を考えているなら今回の記事はなにかしら参考になると思います。
7年間、意匠建築事務所に勤務して、建築施工図業界に転職したわたしが感じていることを書いてみますね。
意匠建築事務所を7年間務めて退職
わたしは、建築系の専門学校を卒業して、ある意匠建築事務所に入社しました。
20才のときです。
入社当時、その意匠建築事務所は、設立2年目くらいでまだ駆け出しの意匠建築事務所でした。
そんなわけで、所員は6才年上の男性社員しかいませんでした。
しかし、わたしが入社してすぐにその男性社員が辞めてしまったのです。
これには驚きました。
それからしばらくは、所長と2人きり。
間にはいってくれる先輩がいない不安がありました。
それからしばらくして6歳上の先輩が入社してきました。
所長のいた意匠建築事務所の時の後輩だったのです。実は先程書いた私が入社してすぐやめた、6才年上の先輩も同じように所長のいた意匠建築事務所の後輩でした。
しばらくすると顧客である、デベロッパーさんが所有するビルに入れることになったので、引っ越しをすることになりました。
そして、引越ししてからもう1人、私より1歳年上の社員が入社してきました。
そして、その社員が、なかなかできる社員なのです。自ら設計もバリバリやって私にはない才能を持っていました。
実はこの意匠建築事務所での働く環境はとても劣悪でした。
入社してしばらくしてすぐに泊まり込みや、ほとんどが終電の毎日、まだ若かったから何とかこなせていたものの、今振り返ってみると体はボロボロ、精神的にもボロボロでした。
そして、とうとう退職することを決意し、就職活動を社長にも了解いただき、今勤務する会社に転職が決まりました。
ちょうどその頃付き合っていた女性と結婚も決まっていたので、実はその女性からも転職を促されていたのです。
それはそうですよね、給料も安いし残業も出ないし、毎日帰りは遅いし私自身ももう疲れていました。
平成8年に建築施工図屋となる
そんなわけで、平成8年の3月から今勤務する会社に転職しました。
仕事内容は建築施工図。
今まで描いたことのない図面でした。
今でこそ3ヶ月間の研修期間がありますが、当時はそんなものはなく、入社して3ヶ月ほどで1人で改修工事の現場に常駐が決まりました。
とにかく建築施工図の書き方を覚えるしかないので、本を購入しました。
もう見よう見まねで真似るしかありませんでした。
最初に常駐した、改修現場では、直接現場に行って職人さんと話しながら納まりを考えることもありました。
このような経験がとても良かったです。意匠建築事務所では基本建物のボリューム、デザインなどを考えることがメインで、実際に現場でどう納めるかまで、詳細には考えていません。
だからこそ、日本の場合、建築施工図が必要なのです。
とにかく一番最初の常駐現場は私自身ズタズタにされました。
しかし、職人さんや職長さん達が良くしてくれてとても助けられました。もちろんゼネコンの方々もとても良くしてくれました。
その後いくつか建築現場に常駐をして30代後半に妻を亡くしました。
当時、息子はまだ小学校4年生で小さく、私の実家にお世話になることになりました。
ちょうどその頃当時の社長から本社の社内勤務になってくれないかと打診がありました。
当時の私はまだまだ現場を経験したかったので、最初は断っていたのですが、よくよく考えると妻が亡くなり、今までのように残業は出来ないとも考えてましたので良い機会かなと思い受け入れました。
そして今に至っています。
意匠建築事務所から建築施工図に転職して感じていること
意匠建築事務所を7年間勤務し、建築施工図屋に転職して感じていることは、とにかく立ち位置が違う、末端の世界なので意匠建築事務所にいた時とは全然違う仕事内容だということです。
建築施工図の仕事はゼネコンの下請け業務なのです。
元々、建築施工図はゼネコンの社員が書いていた図面なのですが、時代の流れで分業化し、外部に建築施工図を書く会社が現れ始め、ゼネコンはその会社に建築施工図の作図をアウトソーシングするようになってきたのです。
そして今に至っています。
私が勤務していた意匠建築事務所でかく図面は詳細図もきちんと描く、まともな建築事務所でした、しかし時代の流れとともに私が感じているのは設計図の品質が落ちていると感じています。
具体的に言うと意匠設計図と構造設計図の食い違いや意匠設計図に収まりをどのように考えている可能おさまり詳細図が描かれていないとかそんなことが多々あるのですそのようなことを我々建築施工図屋が建築成功図を書く際に洗い出しをして意匠建築事務所の現場担当者に質疑を挙げて回答を頂き建築施工図を書き上げていきます。
つまり、設計図の不備があまりにも多すぎると現場での仕事の効率がとても落ちるのです。
言い方を変えると、設計図の良し悪しで現場の業務効率も影響を受けます。
つまり、建築施工図屋の働く環境も、それによってとても左右されます。
極端な話、建築施工図屋として残業が多いか少ないかは設計図の良し悪しにかかっているのです。
逆に言うと、それだけ設計図というのは重要なのです。
今年から働き方改革が施行され、どんどん残業も出来なくなっていきます。
これは私自身とても良い傾向だと思っています。
私自身も現場に常駐している頃はかなり残業もしましたが、今勤務する会社の本社に戻り、内勤となった今はほとんど残業はしないように働き方を変えました。
しかし、現場に常駐している他の社員に話を聞くと、まだまだ残業が多い状況です。
今後、日本の建築業界は如何にして本当の意味で働き方改革をして残業を減らしていくことが今一番やらなきゃいけないことだと思っています。
もちろん会社の経営上のことや各社員の収入面の課題も残されていますが、それも含めて今後の課題ですね。
まとめ
いかがでしたか?
7年間、意匠建築事務所に勤務後、建築施工図屋となって感じていることについて書いてみました。
今回の記事があなたの参考になれば幸いです。